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2011年1月号  page1  page2


「ミリアムの物語 −あるミャンマー人クリスチャンの証‐」

 ミリアムはミャンマー人の熱心なクリスチャン夫妻の末娘として生まれました。父親は教師で、一家は一定の人望と経済的な安定をもって暮らしていました。
 その後両親が亡くなり、ミリアムは姉と姪と共に引っ越しせざるを得なくなりました。生活は以前より厳しくなりましたが、ミリアムは素敵な青年と出会い、やがて二人は婚約しました。
 ミリアムの姉は教会の働きに深く関わっており、助けが必要な時に頼れる人としても知られていました。ある日、一人の若い女性がミリアムの姉の所にやって来ました。アメリカ移住の書類手続きを手伝ってほしいと言うのです。「もちろんお手伝いしますよ。書類を持ってきたらできる限りのことをしましょう。」ミリアムの姉はこう答えました。しかし、その女性が持ってきた書類を一目見て、彼女はそれが偽造書類だと気づきました。そのため彼女はこう告げました。「手伝ってあげたいけれど、正しい書類を持ってこなきゃだめよ。」
 しかしそう言われて怒ったその女性は、ミリアムの姉が書類を偽造し、自分をアメリカの売春ビジネスに売りとばそうとした、と告訴したのです。全く根も葉もない主張であり、証拠もその女性が作った稚拙なものでした。普通なら直ちにその偽りが暴かれ、その若い女性自身が禁固刑を受けたことでしょう。しかし裁判は二年半も引き伸ばされ、ミリアムの姉ばかりでなく同居していたミリアム自身も巻き込まれました。
 裁判所を訪れる度に彼女達はお金を払わねばなりませんでした。さらに女性裁判官が二人を自分の部署に呼び、ある時は現金を、またある時は化粧品や食料を持ってきなさいと命じるのでした。
 この頃、ミリアムの婚約者は自分の叔父の所へ車を取りに行ってくる、と言い、来週には戻るからと言いおいて出かけました。しかし、彼はそのまま二度と戻って来なかったのです。
 こうしてわずか二年間に、安楽な生活から社会的のけ者とされてしまったミリアムと姉は裁判官に言いました。「もうお金は全くありません。判決を出すためにこの上、何が必要だと言うのですか?」裁判官の答えはこうでした。「あと百五十万キャット(約十三万円)払いなさい。そうしたら判決を出しましょう。」
 二人は手離したくないと思っていた品々まで売り払い、今でもまだ会ってくれるごくわずかな友人や親戚に頼みこみ、現金を裁判官に渡しました。すると裁判官はこの事件を他の裁判官に引き継いで、他の町へ引っ越してしまったのです。
 新しい裁判官はクリスチャンで、ミリアムの父親の元教え子でした。彼は同情的で、料金もそう高くせずに公判を進めると約束してくれました。ところがその三日後に再びミリアムと姉は法廷に呼び出され、姉は人身売買、ミリアムは犯罪ほう助の容疑で、それぞれ二年半の禁固刑を命じられたのです。虚偽の罪を着せられ、婚約者も全ての持ち物も失った上に牢獄に入れられてしまったのです。
 刑務所は「生き地獄だった」と、後にミリアムは回想しています。不衛生で食事もごくわずかしか与えられません。ノミや南京虫だらけで、病気も蔓延しており、夜も毛布も枕もないままコンクリートの床に横たわって眠るしかありませんでした。
 しかし、ごく少数のミリアムの友人たちが何とか保釈金を集め、二か月半後にミリアムは釈放されました。そしてミリアム自身も自由になるやいなや、姉の保釈金を作るために奔走し、全ての友人や親族、そしてもうこれ以上貸せるお金はないのだと彼女に繰り返し言う人々の所にまでも足を運びました。そして何とか一万円程を工面しましたが、まだとても足りません。その当時の彼女の家は椅子三脚しかない粗末な小屋で、そばにいるのは脚の不自由な兄と身寄りのない姪だけでした。町の司祭も助けてはくれませんでした。
 進退きわまったミリアムは眠ることも食べることもできなくなり、ついにヒステリー状態に陥ってしまいました。自暴自棄になった彼女はある日、電話を取り上げると、でたらめの番号を回したのです。
 電話に出た女性は外国人のようでしたが、親切そうでした。そしてミリアムは泣きながらこの見知らぬ女性に今までの窮状を打ち明けたのです。「わかりました。明日あなたの家へ伺いましょう。そして何ができるか考えてみましょう。」ミリアムを慰めた後、その女性は言いました。
 翌日やって来たのは一人の外国人女性とその友人でした。二人は宣教師で外国人の方はアデリーンと名のりました。彼女たちの助けでミリアムの姉は刑務所から出ることができました。しかし既に姉は刑務所の過酷な環境で脊椎を痛め、その四肢は麻痺状態になっていました。こうして一家を養う責任の全てがミリアムの肩にかかってきたのです。アデリーンはミリアムの仕事探しを手伝ってくれましたが、どこからも「資格もないし、年齢が高すぎます。」と断られるばかりでした。ミリアム一家は質屋通いを続け、食料を買うために洋服、鍋、シーツすらも売り払いました。さらにそこへサイクロンがミリアムの住む地域を襲いました。しかし不思議なことに彼女の一家と椅子三脚だけの小屋は被害を免れ、ミリアムは再び仕事探しを始めました。
 その時にアデリーンがミリアムにサイクロンの被害にあった人々を助ける働きをしないかと言ってきたのです。アデリーンは被災者支援用物資と資金を用意することはできても、外国人の彼女には被災地に入る許可は得られません。ミリアムならそれが可能だったのです。
 こうしてミリアムはまずかつての家主が住む村を訪れました。政府は正式な書類と許可がない限り外部からの援助を受けてはならないと命じており、その書類も大変入手が難しいものでした。しかし友人や家族を助けることは自由だったのです。そのため村のリーダーに質問されても、「友人を助けているだけです。」と言えば、ミリアムは自由に活動することができました。友人を助けることがその友人の友人や隣人を助けることにつながり‥‥こうして支援の輪は広がっていったのです。
 ミリアムは家屋の復興工事を指揮し、トラック何台分もの蚊帳や米などを運びました。家を建て直す際、様々な偶像礼拝者との衝突がありましたが、その中にあってミリアムは福音を証し、又はイエス・キリストの御名によって悪霊と対峙し、切り抜けていきました。そして九つの村々に救援物資を運んで行くようになりました。
 彼女は日に二、三の村を訪問し、家屋の建設状況をチェックしました。村人達は彼女によくこう尋ねました。「私達によくしてくれるけれど、私達はクリスチャンにならなくてはいけないですか?」「いいえ」とミリアムは答えました。「私達はただキリストの愛を示しているだけなのです」
 この愛は間もなく最も被害がひどかった場所のほとんどに知られるようになりました。今では初めての村に入っても、かつてのような質問文ではなく「あなたはクリスチャンだから、助けに来てくれたのだね。」と言われるそうです。かつて全てを失ったミリアムは、全てを失った人を助ける喜びを見出したのです。
 お祈り下さい。最近の報告では、ミリアム姉は再び失職し、かつて彼女を訴えた女性が再び裁判を起こし、ミリアムに約十二万円の賠償金を要求しているとのことです。公正な判決が出されるよう、又、ミリアムに新たな職が与えられるようお祈り下さい。


「宣教師を派遣するということ」
日本 菅家庄一郎、容子

チャウさん一家と信恵師と  主にあってあけましておめでとうございます。2010年の皆様のお祈りと献金を心より感謝申し上げます。2010年を振り返り思わされていることは、海外へ宣教師を派遣するとはどういうことか正しく理解していただくことの大切さです。
 まず、海外宣教の働きは教会の働きです。個人主義が強くなった現代社会では、ともすると海外宣教も「海外で働きたい個人」の働きと勘違いされやすいです。海外宣教の働きは、教会が聖霊の導きにより教会の代表を主の働きのために派遣する働きです。アンテオケ教会がパウロとバルナバを派遣したように、教会が大切な人材を痛みをもって派遣することが海外宣教の働きです。(国内の外国人の働きに宣教師を送る場合もあります。)
 次に海外宣教の働きは、霊的な働きです。最近では、宣教の自由のない国で医療・教育・援助など様々な領域で働く専門職ワーカーを教会が派遣する機会も多くなりました。では、伝統的な宣教師と、専門職ワーカーとはどこが違うのでしょう。まず、宣教師と同じ点は、その専門職ワーカーも教会から派遣され、祈られ支えられている人であるということです。時がくれば母国に戻り、働きの報告をします。宣教師と異なる点は、専門職ワーカーは公に福音を伝えることはできません。しかし、各ワーカー達が定期的に祈り合い励まし合い、祈り深く現地の人々と関わり、専門的な働きが表面的な働きで終わらず、人々の魂を変えるものへと繋がっていくことを意識して働いているのです。そのような働きを通して、現地の人々が福音を知るようになり、教会に繋がっていくようになることが目標なのです。
 新しい年、宣教師・専門職ワーカーを皆さんの教会と協力して派遣することはできないでしょうか。(菅家)
 皆様、明けましておめでとうございます。皆様はどのように新しい年を迎えられたでしょうか。私は最近日毎に新しい朝を迎えることができる素晴らしさを覚えています。朝毎に新しい主のあわれみ、力強い御真実を思うとき、私たちは感謝と希望をもって新しい年を迎えることができるのではないでしょうか。
 昨年を思い返し、感謝なことが幾つも心に浮かびます。古淵と西宮で新たに宣教祈祷会が始まったこと。冬に専門職ワーカーを一名派遣できたこと。春にKGKと共に出版した「十字架を生きるしもべ」が多くの人に読まれ、売り切れとなり、現在再販の準備中であること。北朝鮮のための祈りのパンフ「主の時」が出版され、用いられていること。フレーザー宣教師の生涯を描いたDVD「ブレイクスルー」が字幕入りで完成し、宣教と祈りへのチャレンジを与えていること。西村師を通して近くに住むカンボジア人家族と出会い、親しい交わりが与えられていること。夏の短期宣教旅行が祝福され、参加した若者たちがさらに献身・宣教への思いを強めたこと。その中から青年宣教祈祷会が始められたこと。有澤先生ご夫妻やS師、O師ら一時帰国中の先生方との交わりを通して大いに励まされ、教えられたこと。また先生方の教会訪問が祝福されていること。子供たちの学校で知り合ったお母さんの中から、主を求め始めている方が起こされていること。また、教会の姉妹たちが共に協力してそれらの方に関わってくださっていること。療養のため休職中の西村師、I師がぞれぞれ回復に向かっていること…。私たちは自分がしたこと、あるいはできなかったことに注目し、いい気になったり、落ち込んだりしやすいですが、夜のあいだも働き、全世界を保ってくださっている神様が、朝毎にめぐみの中に私たちを目覚めさせ、主の働きに招いてくださることを覚えたいです。新しい年も、主の恵みを数えて主を喜んで歩みたいです。(容子)

【祈りの課題】
1. 新しい年、主が宣教師として召された人を日本委員会に導いて下さり、教会と協力して派遣することができますように。
2. 31日、2月1日と日本委員会が持たれます。主への純粋な熱意をもって一致を保ちつつ、建設的な話し合いがもたれますように。委員の先生方一人一人を覚えてお祈りください。


「レインボー・チームと小ギャングたち」
タイ 坂本朋子

チームがやっと全員揃いました! 新年おめでとうございます。二〇一〇年は皆さまのお祈りに支えられ、タイに来て無事に一年目を迎えることができました。新しい年、皆さまの上に主の恵みが豊かに在りますようにタイからお祈りしています。
去る十一月にはランパーン・チームのリトリートがチェンマイにて二泊三日でありました。メンバーが全員そろってこのような形で合宿をするのは初めてです。各メンバーのパーソナリティー・タイプを知るためのテストと分析、チームのビジョンの確認と修正、御言葉の学びと分かち合い、各メンバーが歩んできた人生についての証など、盛り沢山のプログラムでした。これらを通して私たちは改めてみんな「色」が違うということを思わされました。その上でお互いを批判せずに受け入れあうことは、口で言うほど簡単なことではありません。でも虹は七色が揃って美しいように、私たちのチームもみんな色が違うから美しいとも思わされました。バラバラに見えてもメンバー一人ひとりがキリストに在って一つになる願いを持ち、同じ方向に向かっていることを再確認することができました。大人たちがこうやって密度の濃い真剣なミーティングをしている間、チームの子どもたちは広々とした場所で鬼ごっこをしたり、プールで思い切り遊んだりと、随分楽しんでいたようです(私も本当は彼らに混ざってもっと遊びたかったですが…)。私たちのチームには二歳から六歳までのやんちゃな八人の子どもたちがいます。全員が揃うと本当に賑やかです。しょっちゅう叫び声やら泣き声が聞こえてきて生傷も絶えませんが、私にとってはかわいい甥っ子、姪っ子のような存在です。そして彼らも大切なチームのメンバーです。彼らが神様とタイの人々を愛する心を養いながら成長していけるようにと祈らされます。
訪問してくれた母教会のクルベリー師夫妻と(右奥はゲーさん) レベル二に入ってからのタイ語の学びは、働きと同時進行なので時間がなくて予習復習があまりできないこともありますが、今の所順調に進んでいます。十二月現在はマルコの福音書をゲーさんと一緒に学んでいますが、仏教徒である彼女と福音書を読むことで、どうしたら一般のタイの人々に分かるように聖書の世界観を伝えることができるかということを考えさせられています。そして最近彼女の言葉の節々に、神様を求める思いがあることを感じます。「私たちは国や国籍が違うけど、結局は同じ神様から生まれたんだと思う」、「もしこの世に一つしか宗教がなかったとしたら、キリスト教がいいと思う」…。私が事故に遭ってしまった時にも本当に色々と助けてくれた彼女に、「ゲーさんは神様が送ってくれた天使みたいね」というと、ちょっと恥ずかしそうに微笑んでいました。

【祈りの課題】
1. 十二月に来た南アフリカからのチームに続いて、一月はオーストラリアから学生チームが短期宣教でランパーンにやってきます。このチームを主が用いて下さり、この機会を通して特に地元の若者や学生との繋がりが更に与えられますように。
2. チームメンバーの子どもたちが霊肉共に守られますように。二歳児を除いては、皆それぞれ現地の幼稚園または小学校に通っています。親子共々タイ社会の中に順応し、現地の人々と良い関係を築くことができますように。


「主の憐れみとビジョン」
日本 木下理恵子

主に在って、新年おめでとうございます。旧年中も皆様のお祈り、ご献金、お交わりや励まし、助けをどうもありがとうございました。今年もまた宜しくお願い致します。
日米安保条約から五十年、小さい頃から「日本は戦争放棄の国」、その憲法は変えられないと教えられて育ちました。以前の国際ニュースは遠くで起こっているものが多かったですが、最近は私たち日本に関わってくる重大なものが多く、すぐ傍での軍事演習などの映像が普通にテレビで流れています。新しい年、クリスチャンとして平和を守り、作り出す者となる事の大切さを思います。そして国家としてもそうなれるよう、祈る必要性を感じます。
九月号ニュースレターでお祈り頂いた、中国人姉妹の末期癌の日本人ご主人、主を受け入れ天に召されました。お祈りどうもありがとうございました。召される三日前に病院に訪問しました。意識は前日よりずっとよく、イエス様が彼の罪のために死なれた事、イエス様が彼の救い主である事を信じますかの問いに、はっきり「はい」と答えました。祈りの後何度か「楽になった」と仰っていました。その後教会の牧師方も訪問下さり、お祈り下さいました。主を受け入れた翌日夜から体調が急変したそうです。間に合ってよかったと、しみじみ主の憐れみを思いました。主はどれだけこの兄弟を愛され、天国に導きたかったかを思います。皆様のお祈り、本当にどうもありがとうございました。引き続き、残された奥様の中国人姉妹と大学生のお嬢様のためにお祈り頂けると感謝です。日曜日もお仕事があり、日本語でのメッセージはよくわからず、フォロアップに主の知恵と導きが必要です。
去年からの祈りの課題ですが、今年こそは中国語日曜礼拝を始めたく思っています。この中国語集会をどの様なものにしていく事を主が計画しておられるのか、一つ一つ主の導きに従いながら進められるようお祈り下さい。
新しい年が皆様にとって主の平安とご愛、祝福に満ちたものとなりますようお祈りします。

【祈りの課題】
1. 今年、中国語日曜礼拝を始められるように。この中国語集会をどの様なものにしていく事を主が計画しておられるのか、一つ一つ主の導きに従いながら進められるように。
2. 中国人姉妹の末期癌の夫(日本人)が主を受け入れ、天に召され感謝。日曜日も仕事があり、日本語のメッセージがよく理解出来ない姉妹を、どの様にフォロアップしていくか、主の知恵と導きがあるように。

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