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2011年12月号  page1  page2


「タイ人クリスチャンのための祈り」

街角にて(写真と本文は関係ありません)  神はタイで素晴らしい業を行なっておられ、教会も着実に成長しています。しかしそれはクリスチャンの生活も楽だという意味ではありません。全人口の中でも、プロテスタント人口の割合は約O・五パーセントに過ぎず、タイ人クリスチャンはまだまだ少数派なのです。
 タイ人のほとんどは仏教徒で、人々は個人よりも集団への帰属や団体行動をより重視します。そのため、青年クリスチャンたちにとって家族の期待に反したり、友人と異なる行動をすることは特に難しいことなのです。
 良い結婚をし、家族を大切にし、人生における成功をつかむことが社会の共通の目標であり、そのために若いクリスチャンたちは多くの時間を学業に費やし、又、家族の友人で未信者の相手との結婚話など、大きなプレッシャーを受けています。
 多くのクリスチャンたちが信仰の生活への適応、聖潔、信仰といった問題で葛藤を抱えています。性的に乱れた環境に悪影響を受けてしまい、誘惑をしりぞけることが困難になっている者もいます。又、「満ちたりること。穏やかさ」と言ったタイの伝統的価値観と、至る所で広がりつつある物質主義の魔力との間で引き裂かれています。 中には自分が思い描く生活を得るため、もしくは借金返済目的で売春、ギャンブル、麻薬密売にまで走るクリスチャンもいます。
 ほとんどのタイ人が占星学や魔術、迷信に感化されているため、クリスチャンすらもその餌食となり、悪霊を恐れたり迷信に惑わされています。
◆どうかタイ人クリスチャンたちのためにお祈り下さい!

お前だけだ
  ズィーさんは受話器を置きました。涙が頬をつたって落ちていきます。彼の両親は今も息子が仏教僧になることを願っているのです。
 「お前以外の村の者は皆寺に入ったんだぞ。お前が最後なんだ。村人たちもお前のことを噂しているんだ。お前がクリスチャンだってことはわかってるが、おじいちゃんやおばあちゃんはそう言ったってわかりゃしない。ほんのしばらくだけ他の皆みたいに寺に入って、その後でまたクリスチャンになることはできないのか?」
 そうした電話や訪問が重なり、ズィー兄へのプレッシャーは増していきました。家族への言い訳ももう尽きつつあります。大学を卒業した彼は、家族全員の収入を合わせたよりもはるかに多い収入を得られるようになり、その月給の四分の一を愛する家族に送り続け、妹たちの学費や家族の借金の返済を助けていました。
 大学生の時も彼はよい息子であり続け、アルバイトで自分の学費を稼ぎながら一生懸命勉学に励みました。両親に対しても愛と尊敬をもって接してきました。クリスチャンになってからは以前にもましてそのようにしてきました!それなのに彼らはわかってくれないのでしょうか?
 こうしたプレッシャーの中にあっても、ズィー兄は信仰に立ち続けようと決心しています。
◆キリストの証人として妥協せず、同時に家族に愛を示そうとしているタイ人クリスチャンたちのためにお祈り下さい。

写真と本文は関係ありません 人生の傷あと
  メゥさんはOMF青年の家に新たにやって来た学生です。英語を勉強しに来た彼女ですが、その両腕にあるたくさんの傷は、彼女がそれ以上のものが必要であることを表わしていました。
 英語の授業が終わってから、年上のクリスチャン学生二名がメゥさんと話す機会を持ち、「なぜ自分をそんな風に傷つけるのか、わけを話してみませんか?」と励ましました。そして彼女はその後何時間にもわたって家族内の離婚、拒絶、心の痛みについて語り始めました。
 メゥさんは離婚した両親に捨てられ、祖父母に預けられました。その後メゥさんは兄に頼っていましたが、その兄も突然の自動車事故で亡くなってしまったのです。それ以来、メゥさんは様々な親戚の中をたらいまわしにされました。誰もが自分自身のことで忙しく、メゥさんを引き取りたいと思う人はいませんでした。
 絶望の中で彼女は自傷行為を始めていました。それが怒りと痛みをまぎらわす彼女の知る唯一の方法だったのです。彼女は幾度も自殺を考え、一度は入院するほどの状態になったこともありました。
 やがて、クリスチャン学生たちは彼女に神の無条件の永遠の愛について話しました。共に聖書を読み、祈り、さらに語り合い、そして再び祈りました。
 そして夜がしらじらと明ける頃、ついにメゥさんは新たな家族の一員、神の家族の一員になったのです!
◆メゥさんのように、その心に家族崩壊や拒絶の傷を負う何千人ものタイ人のためお祈り下さい。

たぶんいつの日か‥‥
  メイ姉はOMF青年の家で新たにクリスチャンになった姉妹です。信仰に燃え、熱心に聖書を学び、教会や学生の交わり会でも忠実に奉仕を続けてきました。
 しかし彼女は次第に家族からもっとちゃんと勉強するようにとのプレッシャーを受けるようになりました。朝八時から夕方四時まで、月曜から金曜までの学校の授業は、両親にとっては不十分だったのです。両親は一週間七日、毎晩家庭教師をつけるようにしました。全ての時間が勉強にあてられ、もはや教会に行ったり他のクリスチャン兄姉と会う時間もなくなってしまいました。
 それでもOMFの学生ワーカーは何とか彼女と会える時を見つけようとしました。しかし日に八時間から十二時間の勉強と家族からのプレッシャー、そして全くの自由時間なしの毎日が重なって、ついにメイ姉は完全に疲れ切ってしまい、神経過敏になり、信仰生活も停滞してしまったのです。
 結局メイ姉は有名企業に入り、家族の誇りとなるという両親の夢に屈しました。この世的にはメイ姉は順調な生活を送っていますが、もはや彼女の人生には礼拝に行くこと、聖書の学び、他のクリスチャンたちとの交わりの時間はありません。
◆タイ人クリスチャンが勉強と神に従うことの間でバランスを取ることができるようお祈り下さい。

写真と本文は関係ありません ボイ兄の物語
  「一緒に夏の短期宣教チームに参加しないか?」外国に行ったことがなかったボイ兄には、それは考えもしなかったことでした。宣教はタイにやって来る外国人がすることで、タイ人がすることとは思えませんでした!
 しかし祈っていくにつれ、ボイ兄と彼を誘ったOMFワーカーは、ボイ兄の参加に必要なこと全てを神が備えて下さっていると分かってきました。
 そして宣教活動を公にできないある国への旅は、ボイ兄にとって目を開かれるような旅となりました。キリスト教が禁じられているこの国のクリスチャンに比べれば、タイ人クリスチャンの自分はどれほど恵まれていることか‥‥。彼はその時までそのようなことは思ってもみませんでした。
 帰国したボイ兄はすっかり変えられていました。世界各国の教会により深く思いをはせ、海外宣教への重荷を持ち、他のタイ人青年たちもこのような異文化宣教の体験ができるよう支援したいと願うようになったのです。
 ボイ兄は今、タイへやって来る短期宣教ワーカーたちを積極的にサポートし、宣教師らと連携して、東アジア諸国で行われる短期宣教旅行にタイ人クリスチャンたちが参加するよう励ましています。
◆ボイ兄のような世界宣教に情熱を持ち、献身するタイ人クリスチャンたちがさらに起こされるようにお祈り下さい。

袋小路
  ロップ兄はクリスチャンですが、彼が何よりも願っていたことは、彼が生まれ育った極度の貧しさから抜け出すことでした。
 生活をやりくりするため、そしてさらに大きく稼ぐため、彼は賭博組織の一員になりました。しかし多額の負債を抱えていたロップ兄は、借金返済を迫る地域のヤクザにおびえて暮らす日々が続きました。そしてついに恐怖と孤独と行き場を失った彼は自殺してしまったのです。
◆貧しいタイ人がたとえ少ない財産でも賢く管理し、ギャンブルや借金に陥ることがないようお祈り下さい。


「ディアスポラ伝道部全体会議」
日本 ディアスポラ伝道 横山好江

ケンプ部長によるセッション「キリストの弟子を育てる」  十月二二〜二八日と、一週間にわたってイギリスで行われたOMFディアスポラ伝道部全体会議は、主の大いなる祝福のうちに幕を閉じました。皆様のお祈りを心より感謝します。
 約六十名の参加者の内、在外邦人伝道に従事する者が十名。在外タイ人伝道が四名。残りのほぼ全員が在外中国人を対象として奉仕しています。働いている場所は北米(アメリカとカナダ)、ヨーロッパ(イギリス、ドイツ、スイス)、東南アジア(日本とフィリピン)、ニュージーランド、そして南アフリカです。日本からは私の他に、関東で中国人を対象に奉仕するP夫妻が参加。日本ではなかなか持てない同労者との交わりがたっぷり与えられ、働きについても情報交換ができ、刺激を受け大変感謝しておられました。
 働いている場所も、対象とする民族も違うのに不思議なくらい一致があるのは、在外東アジア人に仕えるように召して下さった御方のゆえだと御名を崇めました。アフリカの中国人伝道について経過報告を聞き、この働きのために立てられた方々と交わる機会が与えられ、宣教の主が成そうとしておられることを肌で感じることができました。南アフリカ在住の働き人がアフリカならではの賛美の踊りに導いてくれ、皆が輪になって歌い踊りながら主を賛美し、この働きのために一同心を合わせて祈りました。
 OMF前総裁のハーレー師夫妻が、五日間にわたってヨハネの福音書より御言葉を取り次いで下さいました。人を救うのは主ご自身であること、私達がすべきことは未信者に改宗を迫ったり、クリスチャンになるよう強要したりするのではなく、主キリストを紹介し、この御方の招きに応えられるように助け、この御方を主、そして救い主として信じ仰ぎながら、主と共に歩めるように寄り添うことである、という言葉が心に留まりました。ディアスポラの働き人は、家族の事情で帰国せねばならなかったというケースが多く、個人的な課題や重荷を心を開いて分かち合い、互いのために祈ることができたのも大きな恵みでした。それぞれが励まされ力を受けて奉仕の場へと遣わされて行きました。全ての恵みの源である主に感謝を捧げます。

【祈りの課題】
1.12月5日(土)に行われる帰国者クリスマス会(在欧日本人宣教会主催)が、帰国者の教会定着のために用いられますように。
2.10月下旬に行われたディアスポラ伝道部全体コンファレンスで励まされた働き人それぞれが、主の恵みと愛に満たされ、遣わされた地で在外東アジア人伝道の働きを力強く忠実に担い進めることができますように。


「戦場の聖徒の交わり」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

戦場の聖徒に助けられ  十月末、オーストラリアの大学を下見に行きました。宗教改革記念日前日の日曜、メルボルンのあるバプテスト教会で礼拝。そこにはミェン族宣教のため献身的に祈ってくださっている方達がいて、タイのミェン族教会の歴史を聞きたいと、機会を備え私たちを待っていてくださいました。
 中国から撤退し、タイに来て新約聖書をミェン語に翻訳し始めた第一世代の宣教師たち(一九四九〜六〇年代)、そして新約の翻訳を引き継ぎ旧約聖書を訳し始め村々で積極的に伝道を展開した第二世代(七〇〜八〇年代)、さらに全聖書の完訳・出版を見、新しい世代の牧師たちの育成とミェン語識字教育に関わることになった私たち第三世代(九〇年代〜現在)の宣教師たちの証しをさせていただきました。
 礼拝後、歩み寄って来たご婦人が「あなたの口からCIM(中国奥地伝道団)ということばを聞いたので話しをしに来ました」とおっしゃいます。彼女の証しの内容は以下の通りです。
 「私は中国奥地伝道団の宣教師の娘として湖南省で生まれた。一歳未満のころ日本軍がその地域に攻め込んで来た。母は私を抱きかかえ二階に身を潜めた。父は外出中だった。日本兵がゆっくり昇って来る。母は祈った。日本兵が入って来た。兵士は『子供を抱かせてくれ』と言う。子供を渡すと優しく抱いて彼は言った。『私にも二人子供がいて一人はこのくらいの年頃だ。きっと二度と会えまい。心配しなくてもよい。部下には宣教団の建物と宣教師に指一本触れさせない。私もクリスチャンだ』。このような神の守りによって今の私がいる。ミェン族宣教がCIMから始まったとの証しを聞いたので、このことをあなたにお伝えしたかった。」
 まさかオーストラリアの初めて訪れた教会でこのような励ましを受けるとは。これは単なる美談ではありません。「信仰の継承とすべてを支配してられる神様の御手」(佐味師、十一月号)の証であり、戦場における聖徒の交わりの証です。
 『使徒信条』によって「我は聖徒の交わりを信ず」と告白するとき、どのくらいの範囲の交わりを意識しているでしょうか?今祈ったことが孫の世代に実を結ぶことを先見しながら祈る。中国で祈ったことによりオーストラリアで祈りの戦士が奉仕を続けている。自分の教会だけで十分に忙しいはずの牧師が宣教師派遣のために祈り、その結果、台湾やタイで主の業が進む。あるいはミェン族が東日本の被災地のために祈ることによって次世代に神の御業がなされる。このような聖徒の交わりに加えられた恵みを思い巡らし感謝と献身を新たにしました。

【祈りの課題】
1.あるミェン族教会の牧師が教会戒規に触れて謹慎期間を過ごすことになりました。その教会の役員会からアドバイザーになるように依頼を受けましたので、愛と厳しさのバランスのとれた聖書的助言をすることができますように。その牧師が成長するように、教会が一致を保つことができるようにお祈りください。
2.試練に遭っている日本の教会から献身し、ミェン族宣教の後継者になる人が起こされますように。(今年の1月号をご参照ください。)


「デピュテーション中です」
日本 佐味湖幸

 私たちの救い主イエス・キリスト様のご降誕を心からお祝いします。今年も皆様のご支援、ご祈祷をありがとうございました。
 八月末に北海道から始まったデピュテーション(教会巡回訪問)は、関東を経て、この十月から十二月まで地元関西をまわっています。
 宣教師になって二十年目の歩みの半ばです。ずっと祈ってきてくださった方々、久しぶりの再会を喜ぶ方々もいますが、初めてお会いする方もたくさんおられます。「宣教ニュースをいつも読んでいますが、先生のお名前は『佐味湖先生』だと、ずっと思っていました」と言われる方がおられたり、「お名前は聞いていましたが、男性だと思っていました」と言う方も。そんな思い違いがあっても、神様は誰のことかちゃんとわかって、それぞれの方の祈りを聞いていてくださったんだなと思うと、なんだかニンマリしてしまいます。
 訪問先ではこの二十年の歩みを振り返って、主がどのように導いてきてくださったかを証させていただいています。様々な所で様々な働きをし、試練にも会い、色んな所を通らされて、今さらにはっきりと見えてきた主の導きの御手。それは私個人の人生の中に、神様の御計画がなっていくという事とともに、神様の壮大な全世界の宣教の御計画の中に、私という小さくて足りない者が位置付けられ、用いられるという驚きの発見でもあります。この方に委ねて従って行ったら間違いないんだな、と改めて実感しています。
 来年四月から新しい働きに導かれています。訪問先ではその事もお分かちしてお祈りしていただいていますが、この宣教ニュースでは次号に書かせていただきます。直接お会いしてお伝えできない方々も、どうぞそれを読んでお祈りいただければと思います。感謝しつつ。

【祈りの課題】
1.12月2日母教会昭和聖書教会で婦人クリスマス会があります。伝道的な集会で、メッセージの奉仕をします。主に油注がれて、福音を大胆に語れますように。聞く人々の心に主が働いてくださいますように。
2.フィリピン、ミンドロ島ピリ聖書教会のロニー姉は首の腫瘍から肺に癌が広がっていると言われていましたが、最近の検査では癌がなくなっていました。感謝。再発から守られますように。

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